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ヘンリー六世@さいたま芸術劇場。

さいたま芸術劇場にて蜷川幸雄さん演出の「ヘンリー六世」を観劇しました。

ヘンリー六世@さいたま芸術劇場。_f0048545_2244535.jpg

ヘンリー六世の三部作を訳し直して貰い、それを短くし前編と後編に分けて正味6時間で上演すると言われていました。


実際は13時開演。

前編その壱:90分

15分休憩

前編その弐:120分

60分大休憩

後編その壱:90分

15分休憩

後編その弐:100分

合計400分
21時10分終了。

昨秋の新国立でのヘンリー六世三部作をそのまま3部で上演時間合計7時間という話だから、20分は短縮されたみたいです。


短縮されていると感じたのは…。

展開が早い。
特に後編その弐辺り。

嫁ぐ前後はおしとやだったマーガレットが、次の場面でいきなり男まさりな王妃に豹変していたのが驚いた。

いきなりヘンリー六世とマーガレットの間にいつの間にか子供がいてそれが青年で登場したのには面食らいました。



場内は客席とステージシートを挟む感じでステージがあり真っ白です。
ステージシートの上も階段が続き、登り切った上には通路とふたつの扉があり、そこでもバンバン通り芝居をする。
ステージには両サイドに扉がありそこから俳優さんや玉座の出入りで場面転換を意味したり。
客席通路もバンバン使います。

空からは場面に応じ赤薔薇、白百合、白薔薇、血肉の塊が降って来ます。
それを掃除のおばあちゃん5人が片付けたり掃除したりします。
そのおばあちゃんがリアル掃除婦過ぎて(笑)。
格好もそうだけど熱心に花を集めたり拾ったりしてて…。
でも、次第に頭の中でのいい場面切替作用になりました。


お話は中世のイギリス。その時のイギリスはフランスやイタリアを支配しておりまして…。
貴族の派閥間での争い、フランスでの侵略戦争などで大混乱。
昨日の敵は今日の友みたいな感じで血が流されない日は無い。
(上演時間の1時間くらいは甲冑を着て殺陣をしていたシーンかも。)
シェークスピア得意の誰も救われない悲劇。




上川隆也さん(ヘンリー六世)
国を治めるよりは聖職者向きな気弱なイギリス国王を丁寧に演じていました。
流石は上川さんという感じがジワジワ身体全体に浸みてきます。

吉田鋼太郎さん(ヨーク)
吉田さんを観るとなんか安心しニコニコしてしまいます。

瑳川哲朗さん(ヘンリー六世の摂政公爵)
前編の公爵は流石。
後編の肉屋は顔がイキイキしてました。

長谷川博己さん(フランス皇太子、ヨークの長男)
前編の登場時に「このイケメン誰?」
よく観たら長谷川さんでした。
何回も観てるのに…。(^-^;

池内博之さん(伯爵、ヨークの次男)
初めて彼を舞台で観たときの驚きは消え失せてしまいましたが、舞台俳優って感じになっていました。
前半のマーガレット王妃との影での恋愛の熱血なエロさは半端なかった。
後半は実直な次男でオーラを消していた。

草苅民代さん(伯爵婦人、エリザベス王妃)
立ち姿は美しいし、気の強い女性の役はぴったり。
でも、セリフが最後列まで聞こえていたかは疑問…。

大竹しのぶさん(ジャンヌ・ダルク、マーガレット王妃)
最初、ジャンヌ・ダルク
で登場したときのオーラバチバチは一昔前の神憑りのしのぶさんを感じて身体が高揚しました。
次の場面からは普通になっちゃいましたが…。
ヘンリー六世に嫁ぐヴァージンな王妃の前後は何故か彼女の実年齢に近い顔やセリフが、気が強くなったら若々しくなってました。
大人しい役は厳しいのかな…。
そうは思いつつも、舞台女優大竹しのぶは素晴らしいと何度も感じました。

高岡蒼甫さん(ヨークの三男のリチャード)
宮崎あおいさんの旦那様という認知しかないし、顔もどんな経歴かも存じ上げなかった。
最近の蜷川さんは以前に比べたら甘いのか、相応しくない仕上がりでも舞台に上げちゃうから、全く期待していませんでした。
リチャードはのちにリチャード三世になるのですが、彼の演じる「リチャード三世」を観たくなるくらいハマリ役。
昔セゾン劇場で観た緒形拳さんのリチャード三世も思い出しました。


他にも素敵な俳優さんが沢山いたのですが、顔と役名と名前が一致しない人が多く…。
(ひとり数役は当たり前だから。)
横文字の名前は覚えられない、瞬時に判断出来ない。
よって理解出来ない部分も少なからずあり…。(^-^;
それでも、時間があるならもう一度観たい。
あの空間に浸っていたい。

2010年03月27日13時。
D列(客席側最前列)センターブロック
by kerennminaku | 2010-03-27 23:42 | ストレート・プレイ
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